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錯体化学研究室

新しい規則性炭素構造体の合成と機能創出

 ボトムアップ法(ブロックのおもちゃで城を作るように、原子・イオン・分子から分子集合体・構造体を組み上げる手法)で合成された金属有機構造体や共有結合性有機構造体などの多孔性物質は、設計の柔軟性から新材料として注目を集めている。しかし、これらの材料において、様々な用途に堪える化学的・熱的安定性を実現することは容易ではない。規則性炭素構造体(OCF)は、良好な周期性、熱的・化学的安定性、および電気伝導性を備えた有望な新たなボトムアップ材料として浮上している。しかし、前駆体となる分子の種類が限られているため、現状ではOCFの例は限定される。ここでは、OCFを合成するための前駆体分子として、エンジイン基を持ち、ヘキサアザトリナフチレンを母骨格とするモノマー分子を設計した。このモノマー分子は、固相バーグマン環化により、多孔性ポリマーおよびOCFを形成することが分かった。多孔性ポリマーはナトリウムイオン電池の活性物質として、OCF は電気化学コンデンサの電極材料として利用できることを見出した。

新しい規則性炭素構造体の合成と機能創出

(論文情報)

  1. Yuki Sano, Ryojun Toyoda, Koki Chida, Takeharu Yoshii, Hirotomo Nishihara, Yuta Nishina, Daisuke Asanoma, Shinya Takaishi, Kunihisa Sugimoto, and Ryota Sakamoto*
    ACS Appl. Mater. Interfaces 2024, 16, 42615–42622
    10.1021/acsami.4c06959
    https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acsami.4c06959

(掲載日:2024年11月8日)

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  • 東北大学
  • 東北大学大学院理学研究科・理学部
  • 東北大学巨大分子解析研究センター
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