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学年はインタビュー当時

進学先の決定理由を一言でいうと「知的好奇心があったから」です。

東北大学理学部化学科3年生
藤村 肖さん

理学部化学科3年生の藤村肖さんに大学での研究生活について伺いました。
インタビュー:藤村 肖
1.東北大学理学部化学科を選んだきっかけは何ですか?受験にあたり努力されたことはありますか?

進学先の決定理由を一言でいうと「知的好奇心があったから」です。高校に入学した当初、実のところ私は文系科目に興味があり、理系科目はそこまで得意ではありませんでした。私の出身高校では2年生で文理それぞれのコースに分かれるのですが、進路を選択するときにふと「今後高校でたった2年学んだ程度では化学や物理学を理解しきれないのでは?
中途半端な知識だけではもったいない」と思い、特に興味のあった化学について理学部で更に勉強しようと決めました。

どの学問でも、理解が進めば進むほど疑問が増え、同時におもしろくなると思います。私は暗記が苦手だったので、受験勉強ではとにかく回答に至るまでの背景や理論を理解するようにしました。問題を解きその答えを詳しく理解するときにおもしろさを見出していたので、楽しく勉強をすることができました。今にして思うとある意味理学部に向いている性格だったと思います。

2.「大学生活」と「高校までの生活」との大きな違いをあげるとすれば何でしょうか?

入学した当時、大学生はこんなに自由でいいのかと困惑したことを覚えています。時間割が朝から夕方まで毎日埋まっているということはほとんどなく、高校ほど校則も厳しくありませんし、一人暮らしをすると生活リズムも自由になります。しかしそれは高校まではやらなければならないことが決められていたため、多少受動的であっても生活できただけで、大学からは自分から動かなければ暇な時間を無意味に増やしてしまいます。勉学や部活・サークル、普段の生活に対して責任感を持ち、能動的に行動する、つまり「自分をもつ」ことの重要性が大きな違いだと考えています。何に対しても好奇心旺盛な人が充実した大学生活を送ることができると思います。

3.これまでの大学生活で、藤村さんが成長したと実感する部分を教えてください。

授業で新しい知識を得られたことはもちろんなのですが、先ほどの質問にも答えたとおり、能動的に挑戦するようになりました。偉そうなことを言いましたが、入学当初は高校時代の受動的な態度が抜けず、人見知りで、いい大学生活を送れたとはいえませんでした。ある時私の所属している部活動の一環として市のイベントや大学主催のコンサートで司会を務め、そこで人前で話すことの楽しさに気付きました。そこからは自分から行動・挑戦してみるという姿勢を大切にしています。大学では人やイベントなどたくさんの出会いがあります。学生のうちでは挑戦するのに遅すぎるということはないので、様々なことに興味を持ってみるといいと思います。

4.現在はどのような研究に取り組まれていますか?

高校化学では理論、無機、有機と主に3つに分かれていますが、大学で研究を進めるとその垣根は曖昧になります。私が所属している研究室では計算化学をメインにしており、コンピュータを使い電子・分子のシミュレーション計算を行い、計算で得られた知見をもとに無機・有機化学の反応機構や様々な現象を解明しようとしています。高校生の皆さんにはあまり馴染みのない分野だと思いますが、単に知識として覚えていた理論が実際の計算で確かめられる、無機・有機などの別の領域に触れられる、プログラミングを経験することができるなど、非常におもしろい分野です。

5.今、高校生に伝えたいことがあれば、一言お願いします。

高校までの授業では既知の内容を扱っていましたが、大学の研究では未知の問題を解明していきます。わからないことが当たり前な世界です。勉強が得意ではないという方でも、その学問について好奇心や興味があるなら理学部で楽しい学生・研究生活が送れると思います。皆さんと一緒に東北大学理学部化学科で最先端の研究ができることを楽しみにしています。

-ありがとうございました。
2016年12月19日当時の学年となっております。
影
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